ブログ「芋の気ままな生活」の管理者、芋が小説を置くためのブログです。コメントいただければ幸いです…。


by old-imo

希望

Hope2
ウィルから銃をもらった私はまず最初に警察署へ向かった。・・・生存者がいればいいんだけどね。
警察署はこの町の中心地にある。・・・囲まれたらおしまいだ。
警察署に向かう途中にはたくさんの人の<骸>が、いた。運がいいのかこちらには気づいていないようだった。


警察署内へ入ると広々とした空間があった。警察署にしては無駄に広い、と思うほどだ。
まず、最初に奥の部屋へ向かったが鍵がかかっている。どうにも開けられそうにない。
次々と部屋を回ったが鍵が開いている部屋はなく、ただ呆然としていた時にある部屋の鍵が開く音がした。
(だれか生存者が・・・!?)
期待を膨らませながらドアへ向かうと入り口のドアが開く音がした。・・・骸だ・・・。
私はホルスターにしまってあったハンドガンのことを思い出し、ホルスターに手を伸ばしてハンドガンを骸に向かって突きつけた。
骸は怯むことなく私に近づいてくる。恐怖に駆られながらも撃った弾は丁度、骸の額にクリーンヒットし一撃で撃退に成功した。
・・・私にはどれだけの長い時間が流れたように思えただろうか。初めての戦闘で心臓がドキドキしているのに今はじめてわかった。
さっきドアの開く音が聞こえたことを思い出して入り口のドアの鍵を閉めてから開いた音のしたドアへ向かった。


ガチャリ・・・


ドアを開けると2人の少年と少女が部屋の端っこのほうで座りながら抱き合っていた。きっと怖かったのだろう。
年齢はざっと13~15だろう。少し顔に幼さが残っている。
私は安心させるようにこう言った。
「もう大丈夫よ。私はケイトというの。よろしくね。貴方たちを助けに来たんじゃないけど一緒にこの町から脱出しましょう。」
二人は安心したのか軽くため息をついてから立ち上がった。
「俺はカイン。一応だけど銃持ってるぜ。」
と少年のほうが自己紹介して、手に持っていた銃を見せた。・・・こんな銃どこから持ってきたのだろう。かなり大きい。こんな子供が持つ銃じゃないだろうに。
そして少女のほうも少し口篭りながらも自己紹介した。
「・・・私はジェニーっていうの・・・よろしく・・・」
と言った。彼女も銃を持っていて少年よりは小さいサイズの銃を持っていた。
「実は俺たち付き合ってるんだ。デート中にこんなことになってしまって・・・」
少年は悲しそうに言った。
「お母さんたちは?」
と、私は尋ねた。
すると少女がこういった。
「私もカインも孤児なのよ・・・まだ小さい時に親に捨てられたところを孤児院に拾われたの。・・・」
彼女は深い悲しみの色をした群青の瞳の視線を床へ背けた。
悲しい思いをしてきたのだろう・・・と心の底から思った。
「とりあえず、ずっとここにいても危ないだけだわ。どこかへ逃げましょう。」
と私は冷静に言った。冷静な判断が命を救うと思ったからだ。
私は私の指示に従って行動するように二人に言った。
するとジェニーが小さな鍵をポケットから出した。
「これ・・・この部屋の机においてあったの。」
そういって私に手渡した。・・・こういうときは心強い。
私は鍵を確認した。・・・ルビーが埋め込まれている。確かホールのドアを調べたときにルビーが埋まったドアノブがあったような・・・。
私たちは行動に出た。ホール中を探して、ルビーが埋まったドアノブを探してと二人に頼んだ。



私の記憶どおりやはりあった。鍵を差し込むとガチャと鍵が開く音がした。これで少しは希望が見えた。
部屋の中に入ると部屋の中は異様なほどに血が散乱していた。その周辺には鋭いツメのようなもので引き裂かれた警察官が死んでいた。
あまりに残酷で3人は言葉を失った。
「とりあえず、この部屋の捜索してみるか・・・」
カインが言った。彼の言うとおり、探さないと何も始まらない。
私たちは頷くと捜索を開始した。しばらく捜索しているとカインが何か見つけた様子で窓の前に立っていた。
私が気になってカインの方へ向かうと現実のものとは思えない光景が広がっていた。
・・・緑色の怪物が人を引き裂いていてその人間の内臓をえぐり出しているのだ・・・
残酷の度合いがあまりに高すぎて一瞬倒れそうになった。この光景をジェニーに見せないため、窓のカーテンを閉めた。
するとジェニーが何かを見つけたようだった。
「ちょっと~。ケイトー。」
「なに?」
私は彼女のほうへ向かうと彼女は本棚を見つめていた。
「・・・本棚がどうかしたの?」
私にはただ普通の本棚にしか見えなかった。だがジェニーはかなり鋭い洞察力を有しているようだ。
「この本棚、ちょっとほかの本棚と比べて浮いているのよ。」
彼女は隣の本棚を見つめて、
「やっぱり・・・」
と呟いた。言われてみればそんな気がする。
「よし。じゃあ三人で本棚をどけましょう。何かわかるかも知れないわ。」
と私が言った。窓の前で直立していたカインも気を取り戻したかのようにハッとなって頷いた。
三人で協力して本棚を動かすとそこにはマンホールらしき地下に通じる四角のふたがあった。
開けると地下に繋がっていてはしごが架かっていた。



私から順に地下に降りていって地下の中へ入った。・・・案の定地下は真っ暗だったが少し進むと電気がちらちらついていた。
「・・・ちょっと待った。なんかうなり声しない?」
とカインが言った。・・・聞こえる・・・骸の声が・・・
私たちは銃を構えると声のする方へ向かった。やはり骸が通路を徘徊していた。
私は銃を骸に向かって撃った。さっきのようにうまく額に当たるはずもなく、骸の顎の辺りに当たった。それでも怯むことなく骸は近づいてくる。
するとカインが骸に向かって発砲した。弾は額にクリーンヒットし、ドスンッと鈍い音を立てて骸は倒れた。
「へぇ。上手じゃない。」
私はカインに言った。
「へへ。うまいだろ。実は俺の父さんは軍隊のスナイパーだったらしいぜ。」
と言った。~らしいぜ。というところが悲しいが、それならば射的がうまいのも当たり前だ。これぞ遺伝子パワーというのかな。
するともうひとつの道のほうからまた骸が来た。しかも3体だ。
今回は私も弾を節約していくわけにもいかないので、全弾撃ちつくし、ウィルからもらっていた予備のマガジンを使った。
・・・カイルはやはり銃の扱いがうまい。3体のうち2体は額に当てて殺している。
そのうちの一体がなかなか死なず、さすがのカイルも疲れていた。すると、


パーーン・・・


私たちが通ってきた道からライフルで撃つ音が聞こえた。てこずっていた骸の一体もドサッと倒れた。
コツコツ・・・と革靴の足音が近づいてくる。すると暗闇の中から姿を現したのは数々の武装をした美形の男だった。
「危ないところだったな。」
と一言だけ言った後にライフルを背中に背負いなおした。
「あなた・・・一体誰・・・?」
私は聞いた。男は一瞬鼻で笑い、話し始めた。
「俺はレオン。今はこの国のエージェントをやってる。いきなりこんな事態になったからびっくりしたけど武装整えて警察署のサファイアの部屋からここに来たって訳よ。脱出するために。」
サファイアの部屋・・・そういえばドアノブにサファイアが埋まってる部屋あったなぁ・・・じゃあルビーが埋まってたところはルビーの部屋か。
などとそんなことを思いながらあることを思い出した。・・・この警察署の仕組みだ。私はレオンに聞いた。
「この警察署の仕組みはどうなってるの?あのたくさんの部屋はなんなの?」
と聞いた。レオンは冷静にこう言った。
「とりあえず進もう。そうじゃないと手遅れになる。」
そういって私たちは歩き始めた。
「警察署の話だったな。あの警察署は部署別に分かれていて、捜索・市内状況・事件とかいろいろあるんだ。
で部屋は繋がってなくてあのホールだけが移動の手段だって訳。それだけ。」
「なんだ意外と簡単な仕組みだったのね。あ~あ。気にしちゃって損したわ。」
といろいろ雑談をしながら地下を進んでいた。地上では大変なことになっているのも知らずに・・・
Hope2 END
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by old-imo | 2009-01-23 20:23