「ほっ」と。キャンペーン

ブログ「芋の気ままな生活」の管理者、芋が小説を置くためのブログです。コメントいただければ幸いです…。


by old-imo

<   2011年 04月 ( 1 )   > この月の画像一覧

ある夏の昼下がり。

これはある夏の日のことである。

今年で二年になる大島虎彦は今日も授業中に寝ていた。
むしろそれがデフォルトになっていて誰も不思議には思わなかった。

「…大島。おい、大島。」
「うぅ………ん?」
周囲からの視線が虎彦に集まる。状況を理解して虎彦は少し苦笑いしてから
「き…昨日寝るのがちょっと遅くなっちゃって…」
「いつものことだろうが」
先生のきつい突っ込みが入り小さくなる虎彦。
そのやり取りを見たクラスメイトの一人が笑い、そして次々に笑いを堪えられなく
なった生徒たちが笑う。

窓の下に見える学校のプールには一年生が水泳授業をやっている。バシャバシャと
水をかきわけている音が虎彦のいる教室にまで届いていた。よく見ればその中に峻も
いるようだった。

―――夢で見たあいつの姿。久しぶりにあいつの夢を見たような気がする。
もう顔を合わせなくなってからしばらく経つが、連絡は無い。そろそろ夏休みに入るし
連絡してみようか?―――

そんなことを考えながらぼんやりと太陽が照りつけるプールサイドを眺めていた。
少し視線を上にずらすと目を背けたくなるほど強い光を放つ太陽と、雲一つないまさに
「晴天」という言葉がぴったりの青々とした空が広がっている。

ふぅ、と姿勢を直し授業が始まってから一度も開いていないノートを開き、ペンを取り出した。黒板に文字を書く音が響く教室で虎彦は適当に板書を取っていた。

頬杖をついて窓から空を見つめながら虎彦はこう呟いた。

「あいつ、元気にしてるかな…」
[PR]
by old-imo | 2011-04-06 01:11 | 漏れなつ。