人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブログ「芋の気ままな生活」の管理者、芋が小説を置くためのブログです。コメントいただければ幸いです…。


by old-imo

希望

Hope8
私たちはヘリに乗ってあの町を脱出した…かのように思われた。しかし、何者かのミサイルでヘリは撃墜され、ヘリが不時着したのは幸運にも隣町だった。しかし、ヘリが不時着したことによってレオンが重症、ほかは重症でなくとも怪我を負った。私はレオンの怪我を治そうと救急スプレーを取り出した。だが、レオンは重症を超える怪我をしていた。なんと、片腕がヘリの下敷きになっていた。レオンは苦痛に顔を歪めながら必死で痛みを堪えていた。
「レオン!」
カインはレオンにすぐ駆け寄ってきた。
「レオン!大丈夫か!?」
カインは必死だったようだ。当然私もレオンには死んでもらいたくなかった。たぶん、ジェニーも同じ気持ちだっただろう。
レオンは手をヘリから抜こうとしたそのときだった。



グシャッ…



不気味な音が当たりに響いた。



-------------------レオンの左腕が取れている-----------------------



信じられなかった。ゾンビならまだしもレオンは生身の人間だ。こんな痛みに耐えられるわけが無い。
「うっ…」
レオンは必死で痛みを堪えているようだった。私にも痛さが生々しく伝わってくるような気がした。
「と…とりあえず止血しなきゃ!」
ジェニーが言った。彼女の言うとおりだ。今は早く止血しなければ。


私は止血剤と包帯を取り出し、レオンに止血剤を飲ませた後包帯をレオンの左腕に巻いた。
少しの沈黙が続き、レオンが元気付けるように言った。
「みんな!まだ助かってないんだ。早くこの町を脱出しよう。どうやらこの町も腐っているらしい。」
今一番苦しいのはレオンのはずなのに私たちはレオンに励まされ、立ち上がった。
確かにレオンの言うとおりこの町もさっきの町の影響か、ゾンビがそこらへんをうようよしている。気味が悪い。
「今レオンが銃を持つのは危険だ。俺たちがレオンを守ってやる。」
とカインが言った。私たちならレオンを守れる。そんな気がした。
「ありがとう。感謝する。しかし…これからどうしたものか。片腕が無ければ困るな…」
とレオンは呟いた。確かに片腕が無ければ行動のほとんどにおいて不利になってしまう。
「とりあえず、行こう。」
レオンが考え込んでるときにカインが言った。
「動かなければ、助かりもしないわよ。」
と私も言った。こんなときこそ私たちが引っ張っていくんじゃない。


墜落したヘリの脇を通り過ぎて、なるべくゾンビに見つからずに進もうとそこらにおいてあった車の陰に隠れて進んだ。幸い、見つからずに進めたようだ。へりが墜落したのは大通りだったようで、いろんな物件が立ち並んでいる。そんな中曲がり角を曲がって進んでいくとゾンビではない何かが立っていた。人間?いやそれにしても大きすぎる。しかも大きなツメのようなものが生えていた。…敵?
私は踵を返し、カインを引っ張って今来た道を戻っていった。しかし曲がり角からゾンビが現れ、あの怪物もジリジリと近寄ってくる。

どうすればいい?

私は考えた。必死で考えた。しかしこんなときこそ冷静になれないのか何も浮かんでこない。浮かぶどころか消えていく。
どすどすと音を立ててあの怪物も近づいてきている。あと30mくらい先だろうか。ゾンビはお構いなしに近づいてくる。距離は10mくらい。
考えてるうちにあの怪物がすぐ目の前に来ていて、どうしようも無いときだった。あの怪物が大きく後ろに手を回し、カインの体を突き刺そうとした。


「…ッ!?」


Hope8End
by old-imo | 2009-05-17 15:12 | 希望